ドジャー・スタジアムでピッチ? LAドジャースがアクセラレータ開始
メジャーリーグのLAドジャースがアクセラレータプログラムを開始しました。プロスポーツチームのアクセラレータプログラムは世界初。そして11月10日に、このプログラムに選ばれたスタートアップのピッチが「ドジャー・スタジアム」で行われました。投資をしている方にお話を伺う機会があったので、調べて見ました。
どのようなプログラムなのか
画像:Dodgers Accelerator startups step up to the plate at demo day:
スタートアップのプロダクトを、実際の試合・練習で試運転させたり、ブランド構築の手助けをします。メンターとして、ドジャースのオーナーに加え、各業界の経営陣がいますし、なんとNBAスターのマジック・ジョンソンもいます。さらに投資家としては、A・ロッドやジーターといった著名選手を揃えているようです。これならプロモーションは強いでしょう。
さらに参加企業には2万ドル(1ドル=120円で計算すると240万円)を投資し、6%の株を保有することになっています。今回のピッチでは、37カ国575社の応募の中から選ばれた10社が、自社の達成度と今後の展望について語りました。
どんなスタートアップが選ばれたのか
画像 FocusMotion:http://focusmotion.io/
スポーツ関連企業が多いですが、フィットネス・エンターテイメントまで幅を広げて選定しています。例えば、プロアスリートと一緒トレーニングできるモバイルアプリのProDayや、アスリート・スポーツチーム・コーチのマッチングサイトのFieldLevelなどがあります。(ちなみに、アメリカは大学スポーツが一大ビジネスであり、有名大学のユニフォームがAdidasからNikeに代わるだけで数億のお金が動くといいます。コーチもご多分に漏れず、獲得競争が激しいわけです。)
私が今後の可能性を感じたのは運動時の動きをトラッキング・解析するFocusMotionです。ウェアラブルデバイスで動作解析ができるように、OSやハードウェアに依存しないソフトウェア開発キットを提供します。画像のように野球の変化球の動きをモデル化し、習得や改善に繋げることもできるようになりそうです。
日本でのスポーツテクノロジーはどうなのか
画像:https://www.datastadium.co.jp/service/tracking.html
日本でのスポーツテクノロジーでいうと、Jリーグが、2015年3月7日の1stステージからJ1全試合でトラッキングデータを取得するようになりました。この技術は米国に本社を置くCHYRONHEGO社のTracabを導入しています。余談ですが、軍事技術としての追跡追従などに使われているそうです。この技術によって、選手の走行距離やトップスピード、加速度などを取得でき、戦術やトレーニングに役立てることができます。また余談になりますが、審判の動きなども取得できるそうですね。
今後どうなっていくのか
画像:J.REAGUE.jpが掲載しているトラッキングデータの一部
ゲーム分野には、上の画像のようなトラッキングされたデータ応用され、「スポーツゲームでの個人の能力」に忠実に反映されそうですね。一部のスポーツゲームでは既に実用されているとは思いますが、その動きが強まっていくでしょう。また将来はVR(バーチャル・リアリティ)と組み合わせることで「本田圭佑選手と試合ができる!」ということも十分起こりうると思っています。
さらにメディアに関しては、スポーツ中継に応用されると考えます。今では、アメフトのヘルメット、サッカーのすね当て、各スポーツのウェアにセンサーを装備できますから、東京オリンピックに向けて、メディアのあり方も変わっていってほしいと思います。