USDC (USD Coin)について
Circleは、インターネット上のFiat Moneyの新しいオープンスタンダードを目指して、Coinbaseと共同でCENTRE コンソーシアム を発足し、USDCを発行しました。
少しCiecleとスペルが似ていますが、CENTREはあくまで別組織で、Circleが中心となっています。
USDCは1週間に9000回以上のチェーン取引され、1週間に$500million(約600億円)以上のオンチェーン送金がされ、3ヶ月で1.9億ドルを超えるオンチェーンのUSDC支払いがされています。
また発行数は最近でも増えており、時価総額は$ 300 Millionを超えたと2019年1月初旬からアナウンス 1がありました。
価格を一定に保つメカニズムとして、アルゴリズム型、暗号通貨担保型、法定通貨担保型などがありうますが、USDCは法定通貨(ドル)を担保にしたステーブルコインで、Ethereumチェーン上にERC20として発行されています。
(参考:ちなみにUSDCのコントラクトのアップグレードの特徴はこちらにまとめられています。)
USDC ローンチの理由
ステーブルコインは多くありますが、なぜCircleはCENTREをつくりステーブルコインを作ったのか、その戦略の部分は創業者 Jeremy Allaire 氏が以下の動画で12:40~あたりからステーブルコインの戦略を語っています。The Tokenization of Everything, MoneyConf Dublin 1
簡単にいうと、あらゆるものがトークン化されると予想し、その先回りのために法定通貨建てのクリプトが必要という理由です。トークン化された証券、ローン、資産などの金融商品を使ったり支払ったりできる法定通貨と紐付いたスマートコントラクトでプログラム可能な通貨です。
既存の法定通貨担保型通貨との違い
彼らいわく、USDTなどの既存のアプローチは、財務上および運用上の透明性に欠け、あまり知られていない怪しげな銀行および監査パートナーや、規制のない国で運営されていると主張します。つまりクローズドであることを課題としてあげています。
一方、USDCはその反対にオープンであることを重視し、確立された銀行、監査機関を用意し、米国の資金送金の法律に則り、財務と業務に透明性をもたせています。
さらにオープンソース 1で、適格金融機関が参加できるオープンな会員制度を制度化しています。つまり(条件をクリアすれば)誰でもUSDCが発行でき、そのための監査や銀行口座条件などを含めた通貨を含めた「フレームワーク」を提供している、といえば良いかもしれません。
現状のUSDCの状況
以下は現在USDCに対応しているウォレット例です
- ALPHA WALLET
- ATOMIC WALLET
- BITGO
- BITKAN
- BITUN
- COBO
- COINBASE WALLET
- COOLWALLETS
- ELPH
- IMTOKEN
- LEDGER
- TOKENARY
- TRUST WALLET
以下はUSDCをリスティングしている取引所
- AIRSWAP
- BINANCE
- BIT-Z
- BITFINANCE
- BITFINEX
- BITMART
- BITMAX
- CHANGELLY
- CHANGENOW
- COINBASE
- COINEX
- COINHUB
- COINPLUG
- CPDAX
- DDEX
- DIGIFINEX
- ETHEX
- ETHFINEX
- EVERBLOOM
- FCOIN
- FETCH
- GATECOIN
- HANBITCO
- HOTBIT
- IDCM
- IDEX
- KORBIT
- KUCOIN
- LIQUID
- OKEX
- PARADEX
- POLONIEX
- QCP CAPITAL
- SWFT
- SWITCHEO
- THOR SWAP
- TOKENIZE
- TOKENLON
- XDAEX
プラットフォームやプロトコルとしてサポート
- ABACUS
- BITPAY
- CENTRIFUGE
- DHARMA
- DISPATCH LABS
- FOTA
- HACERA
- KYBER
- LOOPRING
- MELONPORT
- ORIGIN
- RADAR RELAY
- XINFIN
支払いやレンディングでUSDCを採用しているアプリ
監査などのサービス系でUSDCをサポートするもの
またUSDCは担保型ですから、本当にお金が法定通貨があるのか、透明性のために第三者機関の監査が入ります。現在Circleを監査しているのは、Grant Thornton LLPで、ここから確認することができます。https://www.centre.io/usdc-transparency
以降の内容は、TokenLabのこちらのリンクからご覧ください。
内容:
- CENTREでステーブルコインを発行するためには
- 今後の応用
- USDC発行と償却の概要
- ホワイトペーパーに掲げられているCENTREとして推進予定の事項
スケーリングに取り組む企業「StarkWare」のプロダクト “StarkDEX” と “StarkPay” とは
概要
StarkWareはイスラエルを拠点とするスタートアップで、ZK-STARKという技術を使ったアプリケーションを開発しています。STARKは、Scalable、Transparent、ARgument of Knowledgeの略です。
最初はEthereumだけに絞っていたようですが、他のプラットフォームにもSTARKおよびそれに準ずる技術を導入するというのが現在のスコープのようです。
目指すところはSTARKを使用したスケーラビリティ問題を解決です。発表されている具体的なプロジェクトは「StarkDEX」で、DEXが処理できるトランザクションを拡大するための、0xチームとの共同プロジェクトとなっています。さらに最近の発表されたのは「StarkPay」で、STARKを使ってブロックチェーンの支払いをスケールさせるものです。
資金調達
StarkWareに独自トークンはなく、2回の資金調達ラウンドで合計$40millionを調達し、さらにはEthereum Foundationからグラント(助成金)を受けています。
投資家には、Multicoin Capital、Polychain Capital、Paradigm、Pantera Capitalなどの巨大ファンドや、エンジェル投資家として有名な Naval Ravikant もいます。
スケーラビリティのためのSTARK
パーミッションレスなブロックチェーンはネットワーク参加者全員(ノード)が、ブロックチェーンを検証できます。しかし検証にはコストがかかりますし、スケールしません。
したがって、素早く検証することが可能な証明(トランザクションの整合性の証明)が必要で、StarkWareは、STARKを使用してこれらの課題に対処することを目指しています。
STARKを使用すると、証明の時間は計算量に準線形に比例しますが、検証時間(証明の検証)にかかる時間は短くなります。その度合は、指数関数的に短くなると言われています。
この速い検証のおかげで、これまでよりもトランザクションの整合性を検証する参加者が増えるとも期待されています。
STARK DEXには「証明者」と「検証者」がいます。それぞれProver, Verifilerと呼ばれます。
「証明者」は証明を計算するためにオフチェーンで作業する必要があり、その証明は、後にチェーンに格納されます。
「検証者」は証明の正当性を検証するために、オンチェーンでは対数的な計算を実行するだけで良いことになります。
StarkDEX
STARKを導入することで、DEXの取引の決済段階(settlement時)のスケーラビリティが向上する予定となっています。これはパフォーマンスがブロックチェーンの性能に大きく依存するDEXにとっては朗報と思います。
Ethereumにおいて、チェーン上の取引決済には100,000~200,000のガスがかかると言われています。(参考: )これは、1秒間に3取引の決済と速度になります。たとえEthereumのすべてのリソースがDEXの取引決済に使われたとしてもこれだけの数のみ決済(または約定)されます。
・流れ
StarkDEXを使用すると、トランザクションは最初にオフチェーンに存在する証明者に送信されます。証明者はトランザクションを処理し、それらが正しいことの証明を生成し、新しい状態のMerkle Rootと一緒に、オンチェーンの「検証者コントラクト」にその証明を送信します。さらに証明者は、オフチェーンのデータを更新します。
・期待できる効果
現在、DEXトレードの総ガスコストは、取引数に比例して増加します。2019年2月の「Stanford Blockchain Conference」にて、StarkWareのEli Ben Sassonが 30トレードの証明を検証するのに最大$ 5.5 millionのガスがかかることをデモしました。しかし取引数を17倍に増やし、500取引の検証をしても、ガスは$ 6.7 millionで済んだことも同時にデモをし、取引数を17倍に対してガス代は1.2倍しか増加しないことをみせています。
さらに最近Twtiterでは、Ethereum上の単一ブロック内で8000取引のまとまりを決済するための証明を生成したこと、1取引あたりのコストが1000ガス未満であること、秒間に500取引の決済をできることをツイートしています。
上で書いたように、通常は、たとえEthereumのすべてのリソースがDEXの取引決済に使われたとしてもEthereumで秒間3取引の決済ということを考えると大幅にスケールしていることがわかります。
このStarkDEXは、4月中旬にEthereumテストネットで発売される予定です。
この続きは、StarkPayや今後の課題についてTokenLabで配信していますのでどうぞ。
バーチャル空間に電子アセットを組み込むDecentralandの展望(LANDおよびMANAトークン)
Decentraland概要
Dencentralandは、Ethereumチェーン上のVRプラットフォームのプロジェクトです。デジタル世界を作り、その世界の土地1区画の所有権をトークン化するというものです。コンテンツ・クリエイターは、作ったコンテンツの所有権の証明ができますし、そのデジタル資産から価値がついて収益を上げることもできます。
現在のVRは、Facebookなどの大きな中央集権組織が持つプラットフォーム上で、ユーザは集まったり、相互に関わったり、コンテンツをシェアしたり、ゲームで遊ぶという具合ですが、チームの主張としては「中央集権型サービスよりも分散型モデルのほうが、VR空間の参加者が恩恵を受けることができる」としています。
つまり1つの組織に多くの利益が流れ込むのではなく、ユーザと貢献者(コンテンツクリエイター等)が、プラットフォーム上で行われた取引・トランザクションから利益を得ることができるようになります。
さらに、分散型プラットフォームは、サーバなどのダウンタイムやデータを見られるような検閲リスクの排除することが可能です。
トークン
Decentralandは2つのトークンを発行・流通させています。LANDとMANAです。
Non Fungible TokenであるLANDトークンが、Decentraland世界内の土地の一画の所有権を表します。LANDトークンには、VR空間の場所を示す「座標」と、参考情報がパラメータとして記録されています。
ユーザがLANDを手に入れるには、ERC20であるMANAトークンをバーン(焼却)する必要があります。MANAトークンは、そのVR空間でのグッズやサービスを購入する際にも使うことができます。
2017年12月に最初のLANDトークンが複数オークションで売り出されました。このLANDが「最初に作られた街」の中の土地の所有権を示すもので、この最初に作られた街は、GenesisブロックならぬGenesis Cityと呼ばれています。
2018年3月には、Decentralandのマーケットプレイスがリリースされ、Genesis City内の土地(LAND)が売り買いできるようになりました。https://market.decentraland.org/
また地図でその土地を散策することも可能となりました。この地図はATLASと呼ばれています。https://market.decentraland.org/0/0 2
モバイル、Web、別のVRプラットフォーム等からDecetralandの世界へアクセスできるようなアプリや方法を開発中です。
以降、https://token-lab.org/t/topic/397
- プラットフォームの仕組み
- トークン配布
- VRに関する考察