0xトークン「ZRX」の投資判断
0xのトークンであるZRXに関して、投資的な視点から見ていきます。
※投資のアドバイス等ではないので、投資は自身で十分なリサーチを行ってから自己責任でお願いします。
背景
【ホルダー内訳】
- トークンセール$24 M 分: 50%
- 0x持ち分:15%
- Dev:15%
- Founders:10%
- Early Investors/ Advisors: 10%
【価格】
- ZRXトークンセール時:0.04 USD
- 現在の価格:0.27 USD
- All Time High(ATH:最高値):2.50 USD
価値の話
1. トークンの役割であるリレーヤー手数料としての価値
0x Tracker でみると、リレーヤー手数料は2017年から2019年1月までで約$3,300程度
=> これは手数料を(今の所)無料にしているリレーヤーが多いため。
=> よって手数料としての価値はあまりないが、トークンを分散させるためにもこの方式を採用している。
=> 今後はZRX以外でも手数料として使える提案(ZEIP-28)が実装されそうなので、この用途での価値は今後も期待できそうにない。
2. トークンの役割であるガバナンスのトークンとしての価値
- 結局を0xに投票する、ガバナンスに参加するのに、いくら払いたいか?
手法1. $10M収益のリレーヤーが51%のZRXを取得するための価値:
a. 収益をあげるリレーヤーの現状の価値を算出
b. 次にフォーク後のそのリレーヤーの価値を算出
c. その後(a)の値から(b)の値を差し引き、このリレーヤーが 51%のZRXを買う最大値を算出
※ 簡単に言えば、「このフォークコストを払うくらいなら、ZRXを51%保有して自分に都合の良い提案を通したり、壊されたりしないほうを選択するために払っても良い」という価格
手法2. 今後1年間で交換を実現する金額を元に、払ってもいい手数料を想定:
-
簡単に言えば、0xがあれば●●出来高の交換が実現できるので手数料を払っても良い
→その手数料の累計をネットワーク価値とする
→壊されるとなくなると困るため、議決権の51%を支持者が払いたい場合の価格 -
Wyre手数料0.25%を仮置き
そもそもガバナンストークンとしての意味があるかという批判に対して
-
よくある批判は、ステートレスなプロトコルだから、フォークしやすく、ガバナンストークンに価値はないというもの。例:DDEXの(セミ)フォーク:https://medium.com/hydro-protocol/why-we-are-forking-0x-97dc48ee0426
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実際には以下を状態として持っていて、単純にコピーでは引き継げない。つまりこれらもフォークのコストとなる。
- 残高を変えるAssetProxiesのアローワンス有効
- コントラクトのアクセス許可の有無 Exchange, AssetProxies, Governance module
- 0xプロトコルとやり取りしているその他外部のコントラクト、利用しているアプリ
→同じオーダーは使えないし、離脱コストが非常に高い。
Hypothetical Question -では 価値を留めるにはどのようなモデルが考えられるか-
a. ステーキング
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リレーヤーによるステーキング
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トレーダーによるステーキング
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Token Execution Coordintor(TEC)によるステーキング
- マーケットメイカーによるステーキング
- TECのSelective Delay, Soft cancel について
参考:https://drive.google.com/file/d/1G0POZjloIasrP2x3Iice1IWlMfdKBmgf/view
b. バーン(Kyber Networkの方式):
- チームは明確に否定、オープンプロトコルとしての崩壊となる。
- EthereumがETHをバーンしないのと同じ
c. その他重要な要素
0x version 3.0
ガバナンスへの経済的インセンティブ
詳細はTokenLabのこちらのスレッドにまとめています。
Ethereum2.0を加速させるMoloch DAOとは
Moloch DAO というプロジェクトが、ETH Denverというイベント時に、Ethereum のメインネットでローンチしました。
ETH2.0の進捗が遅れていて、少人数で限られた資金源を元に進められていることへの対策として創られました。
Guild Bankと名付けられたコントラクトに資金をロックしてプールとして蓄えられるDAOの構造となっています。その資金の割当を簡単にし、コストや利益の配分を利害関係者でばらつきのないようにします。
まず目指すのは、グラント・懸賞金を提供するプロセスを速め、Ethereum改善に費やす拡大することで、長期的にはMoloch DAOをよりほかの問題解決に適応していくこととなっています。
参加するには
このDAOに対して、wETHを提供することで参加申請をすることができます。
アドレスをetherscanで見てみると現在1,200 ETHほどなので、2000万円相当がロックされています。
そして参加申請に対して、既存メンバーが入れるか入れないかを投票で決めます。もし参加が認められれば、share(議決権)トークンを受け取ることができますが、このshareの数はwETHのプール合計に対する自分がプールした割合に応じて決まります。そしてこのshareは人に送ることはできません(つまり売ったり買ったりすることはできません)。
もし、メンバーが投票の結果に同意せず、NOと投票する、もしくは参加したくない、という場合は、投票後に猶予期間があり、”ragequit”(怒って辞めること)ができます。このragequitは、share(議決権)を返還し、かわりにGuild Bankに自分がロックしたwETHを取り戻すということになります。
自分の持っているshareをすべて返還すると、もうメンバーでなくなり、DAOの将来の決定からは除外されます。再参加するには、すべてのメンバーによる再申請ともう一度の投票を受ける必要があります。
開発に貢献したい人、グラントを受け取りたい人は
グラント(助成金)を受け取りたい人は、提案を提出するためにメンバーシップを申請しなければなりません。現状、10 WETHのデポジットが必要となっています。
そして申請者は必要とされる資金の額を決め、その額を受け取れるだけのshareをくれとリクエストします。 その提案が、DAO内のメンバー投票によって承認された場合は、グラント申請者は、shareを受け取り、それを引き換えて(wETHで)資金を受け取ることができます。
ETH Denverで、MessariのRyan氏がMolochのAmeen氏にしたインタビューでは、グラント獲得者はDAOに残るために、1 shareを保持することをお勧めしてます。これは将来またグラントが必要になった場合に、再加入の手間する必要がないためです(当然ですが)。
実験的概念
Moloch DAOは創設者Ameenが言っているように実験的概念です。彼いわく『First things first - THIS IS AN EXPERIMENT.』です。
参加はオープンであることを念頭においていますが、メンバーシップに基づく方法では、既存のメンバーが、DAOやエコシステムの利害ではなく、個人的な事情で、選り好みする可能性があります。しかしそうするとプールが小さくなる、また結局別のメンバーでフォークされるため、このような振る舞いをする動機は理にかなっていないため、ある程度抑止力になっているとも言えます。
仮に、成功した場合に、オープンソースプロジェクトやコミュニティで資金を調達および配布するためのもう1つの形態になるため、面白い実験です。
Crypto経済のコンプライアンスと決済を担う「Wyre」のビジネスモデル
DeFi周辺のツール発展により、非営利団体のプロトコルの上にのっかるサービスやサポートする企業のビジネスを構築できるようになってきました。Wyreもその筆頭となっていますが、今回はTokenLabで配信したWyreのレポートについて一部公開していきます。
Wyreは、簡単にいうと、クリプトの「コンプライアンス」と「決済」のためのAPIを提供するFintech/Crypto企業といえば良いでしょう。
ミッションと解決したい課題
ミッションはクリプトプロジェクトが法定通貨世界とのやり取りするのを助けることとあり、そのために上記のコンプライアンスと決済をサービスとして提供しています。
コンプライアンスは、起業家にストレスがかかりますし、コストがかかります。とはいえ、おざなりにはできず特定の地域の規制機関に報告し、規制に従う必要があるのは取引所の動きを見ても明らかです。
そこで今のところ、Wyreは、オンチェーンの「アイデンティティ」ではなく、オンチェーンの「コンプライアンス」に焦点を当てて解決していこうという方向性です。
サービス:Wyre SDKについて
Wyreを使うと以下のように決済を行うことができます。例えばユーザはクレジットカードで決済し、届き先のEthereumアドレスを指定し、ETHを送金/決済することができます。
こちらはWyreのSDKを用いていて、英語ではよく “On Ramp” という言い方がされます。On Rampとは、高速道路に入る車線や入り口ランプを意味しますから、クリプト世界への入り口とイメージすれば良いでしょう。またその逆のOff Rampの役割も果たします。つまりクリプトを使って法定通貨で送金したり決済するということです。
ちなみにこのWyreのSDKは、10行ほどのコードを組み込めば簡単にwebアプリに組み込むことができます。
ユースケースとしては例えばDEXがDappsがコンプライアンス遵守して法定通貨を受け付けられるようになります。
ユースケース:DEX / Dappsでの法定通貨⇛暗号通貨利用
今のバージョンの最大のユースケースは、DEXが即ユーザ受け入れ可能になり、規制遵守した形でユーザ認証できる点でしょう。ユーザの検証が完了すると、Wyreはオンシェーン・コンプライアンス・イニシアチブ(後述)のメンバーとして、ユーザが指定したウォレットにNFT(ERC-721準拠)を作成します。
このトークンは、Wyre以外にもライセンスを受けた主体から発行され、検証済みのユーザーのEthereumウォレットに適応されます。Twitterの青いチェックマークに似ています。
そして0xとpermissioned 流動プール(KYCなど条件をクリアしたユーザのオーダーのみが集められた流動性のプール)を実現する「フィルターコントラクト」により、 認可された取引相手とだけしか取引できないようにすることで、適格機関投資家の参入・マーケットメーカー参入も容易になるというわけです。
続き: https://token-lab.org/t/topic/499
・ 仕組み/詳細
- プラットフォーム側
- ユーザ側
- minter側(Wyreなど
・対応している通貨
・ビジネスモデルと手数料