The Coffee Times

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Ethereum2.0を加速させるMoloch DAOとは

Moloch DAO というプロジェクトが、ETH Denverというイベント時に、Ethereum のメインネットでローンチしました。

ETH2.0の進捗が遅れていて、少人数で限られた資金源を元に進められていることへの対策として創られました。

 

Guild Bankと名付けられたコントラクトに資金をロックしてプールとして蓄えられるDAOの構造となっています。その資金の割当を簡単にし、コストや利益の配分を利害関係者でばらつきのないようにします。

まず目指すのは、グラント・懸賞金を提供するプロセスを速め、Ethereum改善に費やす拡大することで、長期的にはMoloch DAOをよりほかの問題解決に適応していくこととなっています。

参加するには

このDAOに対して、wETHを提供することで参加申請をすることができます。

アドレスをetherscanで見てみると現在1,200 ETHほどなので、2000万円相当がロックされています。
そして参加申請に対して、既存メンバーが入れるか入れないかを投票で決めます。もし参加が認められれば、share(議決権)トークンを受け取ることができますが、このshareの数はwETHのプール合計に対する自分がプールした割合に応じて決まります。そしてこのshareは人に送ることはできません(つまり売ったり買ったりすることはできません)。

もし、メンバーが投票の結果に同意せず、NOと投票する、もしくは参加したくない、という場合は、投票後に猶予期間があり、”ragequit”(怒って辞めること)ができます。このragequitは、share(議決権)を返還し、かわりにGuild Bankに自分がロックしたwETHを取り戻すということになります。
自分の持っているshareをすべて返還すると、もうメンバーでなくなり、DAOの将来の決定からは除外されます。再参加するには、すべてのメンバーによる再申請ともう一度の投票を受ける必要があります。

 

開発に貢献したい人、グラントを受け取りたい人は

グラント(助成金)を受け取りたい人は、提案を提出するためにメンバーシップを申請しなければなりません。現状、10 WETHのデポジットが必要となっています。

そして申請者は必要とされる資金の額を決め、その額を受け取れるだけのshareをくれとリクエストします。 その提案が、DAO内のメンバー投票によって承認された場合は、グラント申請者は、shareを受け取り、それを引き換えて(wETHで)資金を受け取ることができます。

ETH Denverで、MessariのRyan氏がMolochのAmeen氏にしたインタビューでは、グラント獲得者はDAOに残るために、1 shareを保持することをお勧めしてます。これは将来またグラントが必要になった場合に、再加入の手間する必要がないためです(当然ですが)。

実験的概念

Moloch DAOは創設者Ameenが言っているように実験的概念です。彼いわく『First things first - THIS IS AN EXPERIMENT.』です。

参加はオープンであることを念頭においていますが、メンバーシップに基づく方法では、既存のメンバーが、DAOやエコシステムの利害ではなく、個人的な事情で、選り好みする可能性があります。しかしそうするとプールが小さくなる、また結局別のメンバーでフォークされるため、このような振る舞いをする動機は理にかなっていないため、ある程度抑止力になっているとも言えます。

仮に、成功した場合に、オープンソースプロジェクトやコミュニティで資金を調達および配布するためのもう1つの形態になるため、面白い実験です。