「米国AT&T、タイム・ワーナー8兆円で買収」に見える、通信会社の今後
アメリカ通信会社の最大手AT&Tが、エンタメメディア大手のワイムワーナー社を買収することで合意しました。854億ドルなので、日本円にして8兆8000億円を超えるビッグ・ディールです。
巨額の投資には、近年の通信業界に見られる背景が現れています。
主に先進国において、ブロードバンドネットワークの普及率・エリアカバー率は9割を超えています。そしてそのすべてが従来のメタルケーブルではなく、光ファイバーでの提供が可能になっています。そして人口増が頭打ちになっている先進国においては、単純なサブスクリプションモデル(会員制課金)での収入が見込めなくなってきています。実際に、NTTのテレコム部隊は、過去最高利益を2年連続で更新しているものの、売上は下がり、コスト削減で利益を出す「減収増益」というフェーズにあり、市場は成熟しきっています。
回線通信が見込めなくなってきた日本の各社は、他社とタッグを組み、ネットにのるサービスに注力し始めました。SoftbankはIBMの代理店を行いAI店舗導入でのノウハウを獲得し、半導体大手ARM社への出資やGEとのパートナーシップでIoTでの収益源を模索しています。KDDIは保険会社や電気会社と提携を結び、生活環境の総合会社として新たな収益源を探している状態です。NTTも例外ではなく、光コラボレーションモデルを開始し、他社に光回線の「卸売り」をし、新たな収益源を暗中模索しています。
(NTTの場合、NTT法や電気通信事業者などが複雑にビジネスモデルを縛っているため、回線にのるサービスを提供する企業を買収することは容易ではありません。)
米国も同様な状況にあり、今後も似たような事例は増えていくことは想像がつきます。つまり土管屋からのコンテンツ配信会社になることです。(これと同じようにコンテンツ配信会社もコンテンツ作成会社になりつつあり、NetflicksやAmazonは自社制作の映像を配信し始めています。)
結局通信会社は、量子通信や5Gといった超高速インフラの研究をしつつ、他社とのパートナーシップを組み新たな収益源を探していく、モデルを変化していく、という戦略を取らざるを得ないわけです。
ビットコイン取得時、消費税を課さない 17年春にも通貨位置付けに
内容は以下のとおりです。
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財務省と金融庁はビットコインなどの仮想通貨を買うときにかかる消費税を2017年春をメドになくす調整に入った。仮想通貨をモノやサービスでなく「支払い手段」と明確に位置づける。事業者の納税事務がなくなるほか、利用者は消費税分の価格が下がって買いやすくなる。仮想通貨が「お金」としての存在感を増すのは確実だ。
年末の与党の税制調査会での議論を経て、正式に決定する。
〜中略〜
主要7カ国(G7)でビットコインに消費税を課しているのは日本だけで、金融庁は今夏の税制改正要望で、仮想通貨が消費税の対象かどうかをはっきりさせるよう要求していた。今年成立した改正資金決済法では、これまで法的な規定がなかった仮想通貨をプリペイドカードなどと同じ「支払い手段」と定義づけた。財務省は同法の定義に沿って、仮想通貨を非課税にする方針だ。
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photo:Freeformers Digital Uncovered: Bitcoin and the Blockchain