今年のブラック・フライデーは少し違う
http://www.bloomberg.com/bw/articles/2013-11-27/hey-shoppers-black-friday-savings-are-a-hoax
今年もブラック・フライデーがきました。
しかし今年は、例年と比べて変化が起きているようです。
・ブラック・フライデーとは何か
アメリカでは毎年11月の第4週の木曜日が「Thanksgiving day」(感謝祭)となっています。サンクスギビングデーは、アメリカ人にとっては家族で過ごす日であり、七面鳥やコーラで食卓を囲みアメフトを見るというのがイメージしやすい光景です。この日は国民休日として休みになりますが、日本と比べ祝日が少ないアメリカでは非常に大切な日となっています。
私の英語の文章添削をしてくれているアメリカ在住の先生も、メールで「Although you don't celebrate it in Japan, have a Happy Thanksgiving!(日本では祝わないけど、良いサンクスギビングを!)」と最後に付け加えてくれました。
前置きが長くなりましたが、ブラック・フライデーとは、そのサンクスギビングデーの翌日の金曜日のことで、各小売業者がこぞってクリスマスへ向けた商品を大幅にディスカウントする日です。
例えば、ウォルマートや、ベスト・バイなどのショッピングモールで、LGのテレビが50%OFFになったりと大バーゲンをするわけです。
またその年の人気商品には、Fluid Pricingといわれる金額が設定されます。これは、固定価格をつけるのではなく、ライバル店が安い値段設定を知ったら、直ちにそれを下回る柔軟な価格設定をします。(Fluidは液体の意味で、決まった形を持たないという比喩表現です。)
したがって、以下の動画のような、荒々しい状況になります。
・今年はどこが違うのか
この大きな売上を見込めるチャンスの日に、店を閉め社員に有給休暇をとらせる小売店が増えたことです。理由は2つあります。
一つに従業員の健康や生活の充実を、短期的な売上よりも重要だと経営陣が考えはじめたからです。このブラックフライデーの当日は、万引きを監視するために私服に着替えさせた店員を配置したり、他店の金額を把握したり、それをすぐに金額に反映させたりと、従業員の負担は無視できないものになっていて、考慮した答えがこの有給休暇です。
二つ目にオンラインショップの影響です。近年では小売店は自社のEコマースサイトや、アマゾン等に出店しているため、うまく使えば店を閉めてもダメージを幾分軽減できるようになりました。実際にアウトドアメーカのREIは、ブラック・フライデーの日にオンラインサイトでバーゲンを行い、比重を高めることで、リアル店舗を閉め有給休暇を取らせています。
また推測ですが、企業イメージの向上という意味も含まれていると思います。Amazonの過酷な労働環境がメディアに取り上げられていましたが、そんなイメージダウンを避けるための処置とも考えられなくもないです。